はじめに:タマネギは「簡単そうで奥深い」野菜
タマネギは栽培期間が長いのに、作業は意外とシンプル。そのため「簡単そう」と思われがちです。でも実際に育ててみると、細かいポイントの積み重ねが収穫量を左右します。
ぼくも最初の頃は、毎年なにかしら“やらかして”いました。この記事は、そんな失敗をすべてまとめた「反省ノート」のようなものです。
① 苗を深く植えすぎる(→ 玉が太らない)
タマネギ最大の失敗パターンがコレ。ぼくも最初の2年くらいはずっと深植えでした。
- 深すぎる → 葉が埋もれて徒長する
- 深すぎる → 玉が地中で締まりすぎて大きくならない
正解は「3cm深さ・白い部分がギリ隠れる」です。
② 浅く植えすぎる(→ 冬に抜ける・倒れる)
逆に浅すぎると、冬の霜柱で「スポッ」と抜けて枯れます。ぼくは一度に20本以上やられたことがあります。
浅植え派の方は、冬の霜柱の威力を甘く見ないように…。
③ 太すぎる苗を買う(→ トウ立ちしやすい)
苗売り場で“立派な苗”を選ぶと、意外と失敗します。太い苗は生育が進みすぎていて、寒さに当たるとトウ立ち(花が咲く)します。
ベストは鉛筆より細い中苗。太すぎる苗は避けるべきです。
④ 細すぎる苗を買う(→ 冬越しできず枯れる)
細い苗は冬の寒さに耐えられません。植え付けて2週間もすると黄変して消えてしまうこともしばしば。
「太すぎず細すぎず」がタマネギ苗選びの鉄則です。
⑤ 苗を寝かせて植える(→ 根付かない)
タマネギは意外とデリケート。斜めに植えると根が張らず、葉が倒れやすくなります。
植えるときはまっすぐ縦に“スッ”と差し込むのがポイント。
⑥ 肥料を入れすぎる(→ 葉が伸びるばかりで玉が太らない)
ぼくの黒歴史その①。
「野菜は肥料で育つ」と思って多めに入れる → 葉ばかり巨大 → 冬に枯れやすくなる…という悪循環。
タマネギは肥料控えめが正義。
⑦ 追肥をしすぎる(→ トウ立ちの原因)
春先の追肥を多くすると、葉が勢いづきすぎてトウ立ちします。
追肥は2回まで・2月中旬と3月上旬だけ。
⑧ 冬の“浮き上がり”を放置(→ 半数が枯れる)
寒さで土が凍ると、土が盛り上がって苗が浮きます。浮いた苗は根が切れて枯れてしまいます。
ぼくは初年度、半分の苗をこれで失いました。
対策:週末ごとに指で軽く押して固定する。
⑨ マルチなしで育てる(→ 雑草地獄・乾燥・浮き上がり)
マルチ(黒いビニール)なしでも育てられますが、週末菜園家にとっては地獄です。
- 雑草が増え管理が追いつかない
- 乾燥しやすい
- 霜で浮き上がりやすい
ぼくは「マルチ必須」派です。
⑩ 収穫を早まる(→ 貯蔵性が落ちる)
葉が倒れたからといって、すぐ抜くのはNG。
早く抜きすぎると貯蔵性がガクッと下がります。
正解:倒れてから1週間待つ。
この“1週間”で玉の首元が締まり、長持ちするタマネギになります。
番外編:よくある“誤解”3つ
失敗ではないものの、よくある誤解をまとめました。
- 葉が長い=成功ではない(肥料過多のことが多い)
- 大きな苗=良い苗ではない(トウ立ちのリスク)
- 冷え込むと枯れたように見えるのは普通(新しい根が出れば復活します)
まとめ:失敗パターンを1つずつ消していけば、タマネギは必ず育つ
タマネギは半年以上かけて育てる植物なので、途中での微調整がとても重要です。
今回紹介した10の失敗パターンを避ければ、収穫の安定感が一気に上がります。
- 深さ・浅さ問題を解決する
- 苗を正しく選ぶ(中苗)
- 肥料は控えめ・追肥は2回
- 冬の浮き上がりチェック
- 収穫タイミングを守る
タマネギは「正しい手順に忠実にやれば裏切らない」作物です。
あなたの今年のタマネギが、立派に太ることを願っています。