※イメージ画像です(AIにより生成)
結論から言うと、ニンジンは連作障害が比較的出にくい野菜とされていますが、それでも「同じ科の野菜を、続けて同じ場所で育てない」ほうが、土の状態が安定します。さらに、ニンジンは「土の状態」が根の形に出やすい野菜なので、前作の影響を受けやすい面もあります。
この記事では、畑の回し方(輪作)の考え方と、貸し農園でも使えるローテーション表を、一例としてまとめました。栽培の手順は、「ニンジンの育て方|発芽と間引きで決まる栽培ノート」をご覧ください。
自治体の資料では、野菜ごとの連作を避ける年数の目安が紹介されています。その中で、ダイコン・ニンジン・カブ・タマネギ・コマツナは、「連作しても害が少ない野菜」に分類される例があります。ホウレンソウ・ネギ・レタスは1年、キャベツ・ハクサイ・キュウリは2年あける、といった例も挙げられています。
とはいえ、ニンジンには別の注意点があります。
「連作できる」と言われても、毎年同じ場所で続けるのは、おすすめできません。
| 科 | 代表的な野菜 |
|---|---|
| セリ科 | ニンジン、パセリ、セロリ、ミツバ |
| アブラナ科 | ブロッコリー、キャベツ、ダイコン、ハクサイ、コマツナ、カブ |
| ネギ類(ヒガンバナ科) | ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラ |
| マメ科 | エダマメ、エンドウ、ソラマメ、インゲン |
| ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ |
| ナス科 | トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ |
| ヒユ科 | ホウレンソウ |
ニンジンの前作・後作を選ぶときは、「セリ科以外」を選びます。
ニンジンは、肥料が多いと又根になりやすい野菜です。前作で肥料をたくさん使った場合は、元肥を控えめにするか、1シーズン、肥料の少ない作物を挟んでから植えると安心です。
3つの区画(A・B・C)がある場合の例です。
| 年 | 区画A | 区画B | 区画C |
|---|---|---|---|
| 1年目 | ニンジン(セリ科) | エダマメ(マメ科) | ブロッコリー(アブラナ科) |
| 2年目 | ブロッコリー(アブラナ科) | ニンジン(セリ科) | エダマメ(マメ科) |
| 3年目 | エダマメ(マメ科) | ブロッコリー(アブラナ科) | ニンジン(セリ科) |
4つの区画がある場合の例です。
| 年 | 区画A | 区画B | 区画C | 区画D |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | ニンジン | マメ科 | アブラナ科 | ウリ科 |
| 2年目 | ウリ科 | ニンジン | マメ科 | アブラナ科 |
| 3年目 | アブラナ科 | ウリ科 | ニンジン | マメ科 |
| 4年目 | マメ科 | アブラナ科 | ウリ科 | ニンジン |
貸し農園では、区画が1つだけの場合も多いと思います。その場合は、畝ごとに科を分ける方法があります。
また、春まきと夏まきの両方でニンジンを育てる場合は、同じ畝に連続して入れないよう、畝を変えてください。
プランターでは、同じ土を使い続けると、連作と同じ状態になります。
深さのあるプランターを選ぶなど、栽培の工夫は、「ニンジンの育て方」の記事にまとめています。
| 失敗 | 理由 | 対策 |
|---|---|---|
| 春まきと夏まきを、同じ畝で続けた | 同じ科が、短期間で続く | 畝を変える |
| 前作の肥料が残ったまま、元肥を入れた | 肥料が多すぎ、又根になる | 元肥を控えめにする |
| ダイコンの跡地にそのまま植えた | 根の掘り残しや石が多い | 深く耕して、取り除く |
| 記録を取っていない | 何を育てたか分からなくなる | 簡単な作付け記録をつける |
記録がたまるほど、その畑の癖が見えてきます。翌年の計画も、立てやすくなりますよ。
ニンジンの収穫が終わったあとの畑は、次のように使えます。
| 収穫時期 | 後作の候補 | ポイント |
|---|---|---|
| 春まきの収穫後(6〜7月) | エダマメ、キュウリ、カボチャなど | セリ科以外を選ぶ |
| 夏まきの収穫後(11〜12月) | 冬は休ませる、または、春のマメ類などを計画する | 石や根の掘り残しを取り除いて、耕しておく |
収穫のときに、根が折れて、土の中に残ることがあります。残った根は、次の作物の邪魔になることがあるため、できるだけ取り除いてください。
ニンジンは、春まきと夏まきの両方で育てられます。1年を通した畝の使い方の例です。
| 時期 | 畝A | 畝B |
|---|---|---|
| 春〜初夏 | ニンジン(春まき) | エダマメなど(マメ科) |
| 夏〜秋 | 休ませる、または別の科の野菜 | ニンジン(夏まき) |
この例では、同じ畝で、ニンジンが続けて育たないよう、年の間で、畝を入れ替えています。
| 年 | 畝(区画) | 育てた野菜(科) | まいた月 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 畝A | ニンジン(セリ科) | 3月 | 発芽まで3週間かかった |
| 1年目 | 畝B | エダマメ(マメ科) | 6月 | 順調 |
| 2年目 | 畝A | ブロッコリー(アブラナ科) | 9月 | ― |
「気づいたこと」の欄に、根の形(又根・割れ)や、肥料の量を書いておくと、翌年の参考になります。
これまで輪作をしていなかった方も、次の手順で、すぐに始められます。
最初から完璧な表を作る必要はありません。「去年、この畝で何を育てたか」が分かるだけでも、十分に役立ちます。
プランターで育てたあと、次の作物に使う土を、再生する方法の例です。
ニンジンのあとに、セリ科を続けて植えないことも、忘れずに。
ニンジンを含めて、複数の野菜を育てる場合は、次の点を考えると、計画が立てやすくなります。
ニンジンは、肥料が多いと又根になりやすい野菜なので、肥料を多く使った野菜の直後は、避けるか、元肥を控えめにする、という考え方が役に立ちます。
小さな区画でも、畝を3〜4本に分けて、ニンジンの畝、マメ科の畝、アブラナ科の畝などに分けると、毎年ずらしながら、輪作が回せます。畝の幅や本数は、区画の広さに合わせて決めてください。
輪作は、完璧に行うのが難しいことも多いです。大切なのは、「同じ科を、続けて同じ場所に植えない」という基本を守ることです。まずは、今年の作付けを記録するところから、始めてみてください。小さな畑でも、畝ごとに考えれば、十分に取り組めます。
記録と計画があれば、来年の畑づくりも、ぐっと楽になります。
ニンジンは、土の状態が根の形に出やすい野菜です。畑の様子を、記録と一緒に、見守ってあげてください。
Q. ニンジンは、連作しても大丈夫ですか?
資料によっては、連作障害が出にくい野菜に分類されています。ただし、病害虫や、根の形の乱れの原因になりやすいため、別の科を挟むほうが安心です。
Q. ダイコンの後に、ニンジンを植えてもいいですか?
同じ根菜でも、科が違うため、輪作の面では問題ありません。ただし、ダイコンの掘り残しや、石が多い場合は、深く耕して取り除いてください。
Q. 何年周期で考えればよいですか?
3〜4年周期のローテーションが、考えやすいです。育てたい野菜の科をリストにして、順番を決めてください。