霜よけ・霜対策|初霜の目安と不織布・寒冷紗の使い方

※イメージ画像です(AIにより生成)

結論から言うと、家庭菜園の霜対策は、「霜がおりやすい日(晴れて風の弱い冷え込む夜)を、気象台の情報で先に知る」「作物に不織布や寒冷紗をかけて保温・防霜する」「かけっぱなしにせず、日中の様子を見る」の3つが基本です。秋田県の「野菜栽培技術指針」(農林水産省のサイトに掲載)では、通気性があり作物に直接かけて使う資材を「べたがけ資材」と総称し、保温、防霜、遮光、遮熱、地温上昇、害虫の飛来予防などの効果を持つと説明されています。

この記事では、気象庁・千葉県・秋田県の公開資料をもとに、霜の基礎と、家庭菜園での被覆資材の使い方を整理します。なお、被覆資材の説明は秋田県内の技術指導者向けの資料にもとづいており、お住まいの地域の気候によって、必要な対策は異なります。

この記事でわかること

  • 霜の種類と、気象庁の用語
  • 霜注意報の見方
  • 被覆資材(不織布・寒冷紗)の特徴と「じかがけ」「うきがけ」
  • 野菜の霜対策で気をつけたいこと
  • 公式の資料で確認できなかったこと

霜の種類と、気象庁の用語

気象庁の「天気予報等で用いる用語」(氷、霜、霧、雷、日照時間)には、霜について、次のように書かれています。

用語 説明(気象庁)
弱い霜 植物の葉などの限られた部分にしか認められない程度の霜。晩霜の時期には「弱い霜」でも霜害を引き起こすことがある
強い霜 畑の植物や地面が一面に白く見えるような霜
初霜 秋から冬にかけて初めておりる霜
はや霜(早霜) 秋の季節外れに早い霜。農作物に被害が出ることがある
おそ霜(遅霜、晩霜) 春から初夏にかけての季節外れに遅い霜。農作物に被害が出ることが多い

つまり、「霜がおりる」こと自体は、冬には普通のことです。注意が必要なのは、作物がまだ寒さに慣れていない「秋の早い霜」と、生育が進み始めた「春の遅い霜」です。

霜注意報の見方

気象庁の「気象警報・注意報の種類」には、次のように書かれています。

  • 霜注意報:「霜により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。具体的には、春・秋に気温が下がって霜が発生することによる農作物や果実の被害が発生するおそれのあるときに発表します」
  • 低温注意報:「低温により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。具体的には、低温による農作物の被害(冷夏の場合も含む)や水道管の凍結や破裂による著しい被害の発生するおそれがあるときに発表します」

つまり、春・秋の霜は「霜注意報」、低温そのものによる被害は「低温注意報」で知らせる仕組みです。発表の基準や期間は、地域ごとに異なります(お住まいの地域の気象台の発表で確認してください)。

被覆資材の特徴(秋田県の指針)

秋田県の「野菜栽培技術指針」(農林水産省のサイトに掲載)の被覆資材の項目には、次のように書かれています。

べたがけ資材とは

  • 「通気性があり、作物に直接かけて利用できる資材をべたがけ資材と総称している。性状により不織布、寒冷紗、化繊ネットに分類される」
  • 「保温、防霜、遮光、遮熱、地温上昇、害虫の飛来予防などの効果を持つ」

資材ごとの特徴

資材 特徴(秋田県の指針の説明)
不織布 繊維を重ね合わせて、シートやマット状に加工したもの。隙間があるため通気性が良く、空気を含むため保温性を持つ
寒冷紗・ネット 化学繊維の束を布状に織ったもの。素材や目合いにより様々なものがあり、不織布と同様の特徴を備えている

かけ方の違い

方法 内容(秋田県の指針の説明)
じかがけ 直接作物の上にかける方法。露地の場合は、裾をピンなどで止める。資材費が最小限ですみ、手軽。保温、防霜、地温上昇を目的とし、特に地温上昇により、早春や晩秋に作物の生育を促進できる。主に露地で、草丈の低い葉菜類や根菜類の作期拡大や品質向上に利用される。一般に、作物の蒸散により内部はやや過湿になりやすい
うきがけ トンネル等の簡易資材を利用し、直接作物の上でなく、少し隙間を開けて被覆する方法。主に防霜や遮光、遮熱を目的とする。労力と資材費はかかるが、保温性は高い

野菜の霜対策(千葉県の技術資料より)

千葉県の「降霜に対する農作物の技術対策について」(令和5年4月、銚子地方気象台からの霜注意報の連絡を受けた注意喚起)には、野菜・花き等について、次のように書かれています。

  • 特に注意を要する品目として、スイカ、メロン、ソラマメ、トウモロコシ、ジャガイモ及びサツマイモの育苗が挙げられている
  • ハウス栽培や育苗では、保温資材で被覆するか、暖房器具で加温する
  • トンネル栽培では、保温資材で二重被覆する
  • 露地栽培の場合は、べたがけ資材等で被覆する

また、霜を受けた場合の症状・対策として、ソラマメ(開花・莢肥大期)では、葉および花弁の周辺の黒褐変、被害がひどい場合は落花や着莢、子実の生育不良が発生し、褐変した部分から病害が発生しやすくなるので、殺菌剤を散布するなどと書かれています(農薬を使う場合は、ラベルの使用方法を守ってください)。

注意:この資料は、春の霜(令和5年4月)に対する、千葉県の技術対策です。時期・地域・作物が異なる家庭菜園には、そのまま当てはまらない場合があります。

家庭菜園での使い方の考え方

以下は、上記の資料をもとにした、一般的な考え方です(公式の手順ではありません)。

  1. 冷え込みが予想される日の前に、資材を準備する(霜注意報などの発表は、お住まいの地域の気象台でご確認ください)
  2. べたがけ(じかがけ)は、裾をピンや土で固定する(秋田県の指針:露地の場合は、裾をピンなどで止める)
  3. さらに冷え込みが強い場合は、トンネルなどで、少し隙間を開けて二重に被覆する(うきがけ・二重被覆の考え方)
  4. 日中に暖かくなったら、様子を見て、換気や取り外しを検討する(じかがけは内部がやや過湿になりやすいと、秋田県の指針が説明しています)
  5. 寒さに強い野菜は、無理に被覆しない(冬の霜は普通のことで、作物によっては耐えられます。トンネルの資材については、関連記事「トンネル栽培用被覆資材の材質は?- 選び方と利点」をご覧ください)

公式の資料で確認できなかったこと

  • 家庭菜園向けの、野菜ごとの「何℃で被覆する」という具体的な目安(今回確認した公式の資料には、記載がありませんでした)
  • 資材の厚さ・目合いの、家庭菜園での選び方
  • 各地域の、初霜の平年日(最新の情報は、お住まいの地域の気象台の発表をご確認ください)

よくある質問(FAQ)

Q1. 霜がおりたら、すぐに野菜は枯れますか?

気象庁は、冬の霜は普通のことで、注意が必要なのは、季節外れの早霜・遅霜と説明しています(農作物に被害が出ることがある)。野菜の種類や生育段階によって、耐えられる程度は異なります。

Q2. 不織布と寒冷紗は、どう違いますか?

秋田県の指針の説明では、不織布は繊維を重ねてシート状にしたもの、寒冷紗は化学繊維の束を布状に織ったもので、どちらも保温・防霜などの効果があります。目合いや素材で性質が異なるため、製品の表示を確認してください。

Q3. かけたままで大丈夫ですか?

じかがけは、内部がやや過湿になりやすいと説明されています。日中の様子を見て、必要に応じて外すか、換気することを検討してください(一般的な考え方)。

Q4. 霜注意報は、冬にも出ますか?

気象庁の説明では、霜注意報は、春・秋に気温が下がって霜が発生することによる被害のおそれがあるときに発表します。低温そのものによる被害は、低温注意報で知らせます。

Q5. 霜にあたってしまったら?

千葉県の資料には、野菜ごとの症状と対策が書かれています(ソラマメなど)。葉や花の変色などが見られる場合は、病害が発生しやすくなる点に注意し、地域のJAや普及センターに相談してください。

まとめ

  • 霜は冬には普通のこと。注意が必要なのは、季節外れの早霜と遅霜
  • 霜注意報は春・秋、低温注意報は低温による被害や水道管の凍結で、地域の気象台の発表を確認する
  • 不織布・寒冷紗は、直接かける「じかがけ」と、少し隙間を開けて覆う「うきがけ」があり、うきがけは保温性が高い
  • 千葉県の資料では、露地の野菜はべたがけ資材で被覆し、トンネル栽培は二重被覆とされている

参考にした公的資料(2026年10月15日確認)

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