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結論から言うと、ホウレンソウを上手に育てるコツは「酸性の土を避けること」と「暑い時期にまかないこと」の2つです。ホウレンソウは、酸性が強い土では育たず、暑さにも弱い野菜です。この2点を押さえるだけで、「芽が出ない」「育たない」といった失敗が、ぐっと減りますよ。
ホウレンソウは、国が定める「指定野菜」のひとつで、冬の野菜の代表格です。栄養豊富なうえ、種まきから収穫までの期間が短く、家庭菜園でも人気があります。この記事では、栽培の流れを、順番に栽培ノートとしてまとめました。
栽培を始める前に、ホウレンソウの性質を知っておくと、失敗が少なくなります。
特に気をつけたいのが、暑い時期のまき時です。夏の高温期に種をまくと、ほとんど芽が出ないことがあります。涼しくなってから、まくようにしましょう。
東北種苗の栽培マニュアルなどをもとにした、一般的な目安です。地域や品種で前後するため、種袋の記載を優先してください。
| 作業 | 時期の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 土づくり(石灰) | 種まきの2週間前 | 苦土石灰をまいて耕し、なじませる |
| 元肥 | 種まきの1週間前ごろ | 窒素・リン酸・カリをバランスよく |
| 種まき(秋まき) | 8〜9月(寒い地域の例)、暖地では涼しくなってから | 高温期は避ける |
| 種まき(春まき) | 3〜4月 | トウ立ちしにくい品種を選ぶ |
| 間引き | 本葉2枚のころから | 最終株間5〜10cm |
| 追肥 | 本葉4〜5枚のころ | 少量にする |
| 収穫 | まいてから約40〜50日後 | 丈15〜20cm、本葉8〜10枚が目安 |
資料によっては、秋まきの時期を8〜9月と紹介していますが、これは比較的涼しい地域の例です。関西など暖かい地域では、日中の気温が下がり始めるのを待ってから、種まきをするほうが安心です。
ホウレンソウの適したpH(酸度)は、資料によって6.0〜7.0、あるいは6.5〜7.0と紹介されています。弱酸性〜中性が目安です。
石灰は、まいてから土になじむまでに時間がかかります。種まき直前にまくと、根が傷むおそれがあるため、早めに入れましょう。堆肥の使い方は、「家庭菜園の土づくり、堆肥・腐葉土の使い方」でも解説しています。
酸度を正確に知りたい場合は、市販の酸度測定液や、測定器を使う方法もあります。何度も同じ場所で育てている畑は、一度測ってみると安心です。
ホウレンソウの種は、水分を吸うのに時間がかかり、発芽が不ぞろいになりやすいと言われます。
なお、「ばらまき」という方法もあります。種を広い範囲にパラパラとまき、軽く土を押さえる方法で、ホウレンソウや小松菜などに向いているとされます。畝の面積が広い場合には、便利です。
発芽後、込み合ったところを間引いて、生育をそろえます。
| タイミング | 目安 |
|---|---|
| 1回目 | 本葉2枚のころ。込み合ったところを抜く |
| 最終 | 株間5〜10cm程度にそろえる |
間引きをしないと、葉が細く、小さいままになります。間引いた苗も、味噌汁やおひたしに使えます。
追肥は、本葉4〜5枚のころに、1回行うのが目安です。公開情報では、収穫の2週間前ごろにも追肥するという例があります。ただし、肥料を与えすぎると、窒素が葉にたまりやすいため、少なめにするのがおすすめです。
ホウレンソウで注意したい病害虫は、次のとおりです。
| 被害 | 対策の考え方 |
|---|---|
| べと病・炭そ病 | 風通しと水はけを良くし、込み合った株を間引く |
| アブラムシ | 防虫ネットをかける。見つけたら、早めに取り除く |
| ハモグリバエ | 被害を受けた葉を取り除く。ネットでの予防も効果的 |
| 立枯れ | 酸性が強い土や、過湿で起きやすい。石灰と水はけで予防 |
病害虫は、育てる環境が悪いと、発生しやすくなります。畝の水はけと、風通しを確認しておきましょう。
収穫は、まいてから約40〜50日が目安です。本葉が8〜10枚、丈が15〜20cmほどになったら、収穫の適期です。
冬の寒さにあたったホウレンソウは、甘みが増すと言われます。収穫は、遅れすぎない範囲で、様子を見ながら行ってください。
ホウレンソウは、根がそれほど深く伸びないため、プランターでも育てやすい野菜です。
「プランターでもできる家庭菜園、ベランダ栽培の始め方」の記事も、あわせて参考にしてください。
| チェック項目 | 目安 |
|---|---|
| 石灰を、種まきの2週間前までに入れたか | 苦土石灰で酸度を整える |
| まき時が、暑すぎないか | 発芽適温は15〜20℃。25℃以上は避ける |
| 種を浅くまいているか | 溝の深さは1〜1.5cm、覆土は薄く |
| 間引きをしているか | 本葉2枚から。最終株間5〜10cm |
| 追肥は少なめか | 本葉4〜5枚のころに少量 |
| 収穫が遅れていないか | 丈15〜20cm、まいてから約40〜50日 |
ホウレンソウは、収穫したてが、いちばんおいしくいただけます。
保存するときは、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、冷蔵庫の野菜室で立てておくと、しおれにくくなります。
ホウレンソウには、まく時期に合わせた品種があります。種袋の「まき時」「特性」の表示を、必ず確認してください。
また、小さいうちに収穫する「ベビーリーフ」の栽培もあります。密にまいて、2cm前後の株間で育てる方法が紹介されています。プランターで手軽に楽しめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 芽が出ない | 高温、酸性土壌、土の乾燥 | まき時を涼しい時期にずらす。石灰で酸度を整える |
| 葉が黄色くなる | 酸性が強い、肥料不足、過湿 | 酸度と水はけを見直す。追肥は少量で |
| 育ちが悪い | 間引き不足、日当たり不足 | 込み合いを解消する。日当たりを確認する |
| トウが立つ | 春まきで日が長くなった | 品種を選ぶ。まき時を早めにする |
| 葉に斑点がある | べと病などの病気 | 風通しを良くし、込み合った株を間引く |
トラブルの原因は、複数が重なっていることも多いです。まずは、「土の酸度」「水はけ」「まき時の気温」の3つを、順番に見直してみてください。
ホウレンソウは、うまくいけば短い期間で収穫でき、家庭菜園の入門にもぴったりです。うまくいかなかった年は、その原因を一つずつ見直して、次のまき時に活かしてください。
Q. 種をまいても、芽が出ません。なぜですか?
気温が高すぎる、酸性が強い、土が乾いたなどが考えられます。特に、25℃以上では発芽が悪くなると言われています。まき時を、涼しい時期にずらしてみてください。
Q. ホウレンソウは連作できますか?
同じ場所で続けて育てると、病気が出やすくなる傾向があります。畑を変える、間に別の野菜を挟むなどの輪作を、検討してください。
Q. プランターでも育てられますか?
はい、育てられます。深さ15cm以上のプランターに、酸度を整えた野菜用の土を入れ、種をまきます。
Q. トウ立ちを防ぐには、どうすればよいですか?
春まきでは、トウ立ちしにくい品種を選ぶことが大切です。また、まき時が遅れすぎると、日が長くなって、トウ立ちしやすくなります。