はじめに:タマネギ栽培は「月ごとの積み重ね」がすべて
タマネギは半年以上育てる長期栽培の野菜です。作業自体はシンプルなのですが、
- やる時期を間違える
- 追肥のタイミングがズレる
- 冬の管理を忘れる
この3つで、一気に失敗することがあります。
逆に言えば、「月ごとのポイント」さえ押さえれば間違いなく成功します。
【10月】土づくりと畝立て|タマネギの成功はここから始まる
タマネギは植え付け前の土づくりがとても大事です。
■ 作業内容
- 苦土石灰を入れる(100g/㎡)
- 堆肥を入れる(2kg/㎡)
- 畝を高めに立てる(15〜20cm)
- 黒マルチを張る(必須)
ポイント:
タマネギは「湿気が苦手」なので、高畝+マルチで排水を良くするのが勝負を分けます。
【11月】植え付け本番|深さ3cmと苗選びを徹底する
11月はタマネギ栽培で最も大切なタイミング。
■ 作業内容
- タマネギ苗の購入(細すぎず太すぎず「中苗」)
- 深さ3cmで植える(白い部分が隠れる程度)
- 15cm間隔で植える(密植しない)
- 植え付け直後は風よけに寒冷紗も有効
ポイント:
深植え・浅植えが失敗の8割。
“3cmの深さ”は絶対に守る。
【12月】初期の根付きチェック|冬支度のスタート
植え付けから1〜3週間後は、苗がうまく根付いているかのチェックが必要です。
■ 作業内容
- 葉が倒れていないか確認
- 抜けかけている苗を軽く押して土に密着させる
- 寒冷紗は風が強い地域なら継続してもOK
ポイント:
この時期の作業はわずか3分で終わるのに、成功率に直結します。
【1月】冬越しメンテ|ほぼ放置だけど“1つだけやること”がある
タマネギは寒さに強いので、基本は何もしません。
■ 作業内容
- 霜柱で“浮き上がり”が起きていないかチェック
- 見つけたら指で軽く押し戻す
- 雑草を抜く(冬でも意外と生える)
ポイント:
放置プレイでOK。ただし「浮き上がり」だけは絶対に放置しない。
【2月】追肥1回目|与えすぎ注意の“ひとつまみ”作業
タマネギが動き出す前の“スタートスイッチ”として軽く肥料を与えます。
■ 作業内容
- 化成肥料をひとつまみ(株の横に軽く)
- 浮き上がりチェック(まだ続ける)
- 雑草が増えてきたら抜く
ポイント:
入れすぎると葉ばかり伸びてトウ立ちするので要注意。
【3月】追肥2回目&生育チェック|春本番の管理へ
3月はタマネギの成長スイッチが“完全にON”になる時期です。
■ 作業内容
- 追肥(2回目)ひとつまみ
- 葉の太さを観察(遅れている株のみ軽めに追肥)
- マルチの破れを修復して保温を維持
ポイント:
この時期に焦って肥料を増やすとトウ立ち地獄になります。
【4月】生育ピーク|葉の様子が“そのまま収穫量になる”
4月は畑を見に行くのが楽しい時期。毎週ごとに肥大していきます。
■ 作業内容
- 葉の枚数・太さの確認
- 倒れたり黄色くなった葉は早めに切る
- 雑草抜き(特に畝の穴から生える草)
ポイント:
この時期は「観察が仕事」。余計な肥料は一切いらない。
【5月】収穫直前|“倒れる前兆”を見逃さない
5月に入るといよいよ収穫秒読み。
■ 作業内容
- 葉が倒れてきていないか確認
- ベト病が出やすい時期なので葉色チェック
- 支柱・ネットなど片付けの準備
ポイント:
葉が倒れたら「あと1週間」で収穫。
貯蔵重視ならこの1週間は絶対に守る。
【6月】収穫 & 貯蔵|タマネギ栽培のフィナーレ
ついに収穫!半年以上育てたタマネギが報われる瞬間です。
■ 作業内容
- 晴れた日に収穫(雨の日は絶対NG)
- 畝に並べて半日〜1日乾かす
- 葉と根を切り、吊るし保存
- 風通しの良い場所へ移動
ポイント:
晩生品種は貯蔵に最適。
ネオアースなどは秋まで余裕で持ちます。
まとめ:タマネギは「月ごとの作業」さえ理解すれば確実に成功する
タマネギ栽培は一見難しそうですが、月ごとに見ると意外とシンプルです。
今回のポイントを再整理すると──
- 10月:土づくり(高畝&マルチ)
- 11月:植え付け(深さ3cm・中苗)
- 12月:根付き&初期チェック
- 1月:浮き上がりチェック
- 2月:追肥1回目
- 3月:追肥2回目
- 4月:生育観察
- 5月:収穫準備
- 6月:収穫&貯蔵
この流れに沿って進めれば、貸し農園でも“立派なタマネギ畑”が必ず作れます。
今年のあなたの畑も、きっと大豊作になりますように。