タマネギは比較的強い作物ですが、油断していると「ベト病」「灰色かび病」「アザミウマ」などの病虫害に悩まされます。貸し農園歴10年の山ちやんが、実際に経験した症状と“効いた対策だけ”をまとめて紹介します。
はじめに:タマネギは強い。でも「ある条件」で一気に弱くなる
タマネギは他の野菜に比べると病気に強いですが、
- 雨が多い年
- 風通しが悪い場所
- 肥料の多い畑
- 連作してしまった場合
この4条件がそろうと一気に病害が広がるリスクがあります。
ぼく自身、特に“梅雨入り前の長雨”でベト病を経験し、畝ごと全滅に近いことも…。
病気が出てしまうと手遅れになりがちなので、「予防」が何より大事です。
① ベト病|タマネギの病気で一番多い
貸し農園で最も発生しやすいのがベト病です。
■ 症状
- 葉が黄色く枯れる
- 葉が白っぽくなる
- 雨が多い時期に一気に広がる
■ 原因
湿気・風通しの悪さ・肥料過多。
■ 効いた対策
- 黒マルチで土の跳ね返りを防ぐ
- 風通しをよくする(密植しない)
- 病葉は即切り取り・畑に置かない
- 雨の日が続きそうなら「予防スプレー」
■ 実体験:
ベト病は“広がる前”に気づけるかどうかで勝負が決まります。葉先が少し白い、黄色い程度なら回復可能です。早期発見・早期除去が鉄則。
② 灰色かび病|葉の“シミ”から広がる
■ 症状
- 葉に薄い灰色のシミ
- 雨のあとは特に悪化
- 葉先が枯れ込みやすい
■ 対策
- 混植を避けて風通しを確保
- 肥料を入れすぎない
- 病葉はその場に捨てず持ち帰る
灰色かび病は、タマネギに限らず雨の多い年に発生しやすい病気です。
葉のシミを見つけたらすぐ切ってしまうと広がりません。
③ さび病|赤い斑点が出たら要注意
■ 症状
- 葉に赤〜オレンジの点々がつく
- 進行すると葉が折れやすくなる
■ 対策
- 風通しの良い畝づくり
- 密植しない(15cm以上空ける)
- 肥料は控えめに
さび病は、肥料が多いと発生しやすくなります。
特に窒素(チッソ)系肥料の与えすぎは要注意。
④ 根腐れ(白色疫病)|雨が多い年の“隠れた敵”
■ 症状
- 株が倒れる
- 玉の根本が柔らかくなる
- 根が黒く腐る
■ 対策
- 畝を高めにして水はけを良くする
- 毎年同じ場所で作らない(連作回避)
- 雨が続く時期は畝間の排水を意識する
白色疫病は、雨が多い梅雨時期に発生しがちです。
水はけの悪い貸し農園では特に注意。
⑤ アザミウマ(スリップス)|葉が銀色になったらコイツ
■ 症状
- 葉が銀色に光る
- ねじれたり、筋が入ったりする
- 葉に小さな黒いフン
■ 対策
- 防虫ネットで予防(植え付け初期)
- 雑草を放置しない(発生源になる)
- 風通しの良い畝づくり
アザミウマは“早期発見”でほぼ対応できます。
銀色の模様を見つけたらすぐチェック。
⑥ ネキリムシ|植え付け直後の天敵
■ 症状
- 朝行くと苗がポッキリ折れている
- 根元に食害跡がある
■ 対策
- 植え付け後の3日間は周辺を観察
- 根元の土をほぐして捕殺
- 雑草を減らして住処をなくす
ネキリムシは夜行性で、苗の根元を切って倒します。
貸し農園ではよく出る害虫のひとつ。
⑦ ヨトウムシ|葉に穴があればチェック
タマネギはあまり食害されにくいですが、近隣がキャベツやレタスだと発生します。
■ 対策
- 夜に懐中電灯でチェック
- 雑草の根元に潜んでいることが多い
- 葉の裏を重点的に見る
病虫害を防ぐ“畑づくりの基本”
結局のところ、病虫害の80%は「環境づくり」で防げます。
- 高畝にして排水を良くする
- 黒マルチで泥はね&湿気対策
- 密植しない(15cm以上)
- 肥料は控えめ
- 連作しない
特に貸し農園は場所ごとに土質が違うので、最初の年は“観察重視”でいくのがおすすめです。
まとめ:タマネギは病虫害に強い。予防さえすれば必ず成功する
タマネギは他の葉物野菜に比べれば病虫害が少ない野菜です。
しかし、環境や雨の影響で突然発生することがあります。
今回のまとめ:
- ベト病は“早期発見&病葉除去”が最重要
- 風通しと排水がすべての基本
- 虫は雑草管理で8割防げる
- 防虫ネットは植え付け初期に有効
- 連作しないことで根腐れ対策になる
タマネギは“予防が勝負”。
今年のあなたの畑でも、病気知らずのタマネギが育ちますように。
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