タマネギは病気になりやすい作物ではありませんが、“植える場所”を間違えると突然うまく育たなくなります。貸し農園歴10年の山ちやんが、自分の畑で実際に試してきた「相性の良い前作/悪い前作」を分かりやすくまとめました。
はじめに:タマネギは“連作障害が出るタイプ”です
タマネギは比較的強い作物に思われがちですが、実は同じ場所に続けて植えると急に育たなくなる連作障害が出やすい作物です。
ぼくも2016年〜2018年頃、同じ畝に3年連続でタマネギを植えたところ、
- 苗が根付かない
- 玉が太らない
- 病気(ベト病)が多発
- 小玉が大量にできる
など、明らかに悪い影響が出ました。
タマネギは「輪作(作付けローテーション)」を意識するだけで、安定感が格段に上がる作物です。
【1】タマネギと相性の良い“前作”リスト
まずは、タマネギと相性が良い作物から。
これは土の状態がタマネギ向きになりやすいものたちです。
■ 相性の良い前作(おすすめ)
- エダマメ(豆類)
- ソラマメ
- キュウリ
- カボチャ
- サツマイモ
- ズッキーニ
- スイカ・メロン
■ 理由
- 根が深く、土をふかふかにしてくれる
- 窒素を使い切りすぎない(肥料過多にならない)
- タマネギが苦手な病原菌を増やしにくい
特に豆類は超おすすめ。
タマネギの後作でも豆類を使うと畑がリセットされやすいので、ぼくは定番ローテにしています。
【2】タマネギと相性の悪い“前作”リスト
逆に、タマネギの生育を乱す可能性が高い前作もあります。
■ 相性の悪い前作(おすすめしない)
- ニンニク(同じネギ類)
- ネギ・ワケギ
- ニラ
- 長ネギ・葉ネギ
- 玉ねぎ(連作)
■ 理由
- 同じ“ネギ属”なので病害虫が共通
- 根の深さや栄養の吸い方も似ている
- 残った病原菌が翌年の苗を直撃する
ぼくの体感だと、タマネギの後にニンニクを植えるのも、
ニンニクの後にタマネギを植えるのも成績が悪かったです。
ネギ類同士は絶対に連続で植えない。
【3】特に注意すべき「NG前作」トップ3
貸し農園では、前作が分からない区画もあって難しいですが、
以下の3つはタマネギの失敗率が急上昇します。
① ニンニク
ベト病・さび病が残りやすく、タマネギに伝染する確率が非常に高い。
② ネギ・ワケギ
連作障害が最も出やすいパターン。
根が似ているため、土壌の栄養バランスが偏りやすい。
③ 直前に玉ねぎを植えていた場所
同じ病原菌が残るので、植えた瞬間から弱った株が続出。
経験上「3年」は間隔を空けたほうが安定します。
【4】タマネギに最適な輪作ローテーション実例
ぼくが貸し農園で実際に使っているローテーションを紹介します。
■ 山ちやん流ローテーション(4年周期)
- 1年目:タマネギ
- 2年目:豆類(エダマメ・ソラマメ)
- 3年目:ウリ科(キュウリ・カボチャ・メロン)
- 4年目:サツマイモ or ジャガイモ
これを繰り返すだけで、タマネギの生育が安定し、
病気の発生率も明らかに下がりました。
ネギ類は4年間、その畝には絶対に入れないこと。
【5】「前作の残り肥料」を読み取るとタマネギがうまく育つ
タマネギは肥料を入れすぎると失敗します。
前作の肥料の使われ方を知ると、失敗率が一気に下がります。
■ 肥料を多く使う前作
- トマト
- ナス
- キャベツ・ブロッコリー
→ この後にタマネギを植えると「肥料過多」で徒長しやすい。
■ 肥料を少なく使う前作
- カボチャ
- サツマイモ
- キュウリ
→ この後はタマネギが“ぴったりフィット”します。
目安:肥料が多い作物の後は、元肥を半分にする。
【6】タマネギが嫌う土の状態(これだけは避ける)
前作の影響とは別に、タマネギが苦手とする土の状態があります。
- 湿気が多い
- 粘土質で固くしまる
- 窒素過多
- 排水不良
- 有機物が未熟
これらが当てはまる場合は、
- 高畝にする
- 黒マルチを張る
- 元肥を控えめにする
- 堆肥は完熟を使う
などで改善できます。
まとめ:輪作を意識するだけでタマネギは劇的に安定する
タマネギは“植える場所”を間違えなければ、驚くほど安定して育つ作物です。
最後に今回のポイントをまとめます。
- ✔ 良い前作:豆類・ウリ科・サツマイモ
- ✔ 悪い前作:ニンニク・ネギ・ワケギ(同じネギ類)
- ✔ タマネギは“3年以上の間隔”を空けると安心
- ✔ 肥料を多く使う前作の後は元肥を半分に
- ✔ 高畝+マルチで環境を整えるとさらに安定
輪作は少し手間ですが、実際には「植える場所を1年先まで決めておく」だけでOK。
今年のあなたのタマネギ畑が、病気知らずで大豊作になりますように。

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