はじめに:収穫&貯蔵は「正しい順番」が命
半年以上かけて育ててきたタマネギ。最後の仕上げが、収穫と貯蔵です。
ぼくが初心者の頃やってしまった失敗は──
- 早く抜きすぎて貯蔵できない
- 雨の日に収穫してすぐ腐らせた
- 乾燥不足で首が緩み、保存中に傷む
- 湿気の多い場所に吊るしてカビ発生
今だから笑える話ですが、当時は本気で落ち込みました。
この記事では、10年間で身につけた「収穫」と「貯蔵」の最適解をすべてまとめて紹介します。
【1】収穫のタイミング|“葉が倒れてから1週間”が黄金ルール
タマネギ収穫の合図は、葉が自然に倒れてくる時です。
■ 正しいタイミング
葉が倒れてから1週間待つ。
早すぎると首が太く、乾燥が不十分で腐りやすくなります。
■ 注意ポイント
- 倒れていない株を無理に倒さない(品質が落ちる)
- 倒れ始めたタイミングで天気をチェック
ぼくが何度か失敗したのは、「倒れたから今すぐ抜こう!」と急いで収穫してしまった時。
1週間待つだけで貯蔵性が2倍以上変わります。
【2】収穫の方法|引き抜く前に“土を割っておく”と傷みにくい
収穫時は、ただ引っ張るのではなく、株の周りの土を割ってあげると玉が傷みにくくなります。
■ 収穫手順
- ① 晴れた日を選ぶ(雨天NG)
- ② 玉の周りを手や小さなスコップでほぐす
- ③ 葉の根元をつかんで“ゆっくり”引き抜く
- ④ 畝に並べて半日〜1日乾かす
雨の日に収穫すると、乾きづらくカビの原因になるので厳禁。
【3】収穫後の乾燥|「半日+風通しの良い場所」でしっかり水分を飛ばす
収穫したタマネギは、玉と根から多くの水分を放出します。
乾燥不足だと保存性がガクッと落ちます。
■ 畑での一次乾燥
✔ 晴れた日に畝の上に並べて半日〜1日。
玉に直接日光が当たってもOKですが、2日以上はNG。
蒸れて傷みます。
■ 自宅での二次乾燥
- 日陰・風通しの良い場所(軒下など)
- 1〜2週間かけてじっくり乾燥
首(葉の付け根)がしっかり締まったら次の工程へ。
【4】葉と根の切り方|“切る位置”で保存期間が変わる
乾燥が十分にできたら、葉と根をカットします。
■ 切る位置の目安
- 葉:3〜5cm残す
- 根:1cm残す
葉を短く切りすぎると首から腐りやすくなります。
根も完全に切り落とすと雑菌が入りやすいので、少し残したほうが安全です。
【5】吊るす or かご保存|どちらでも良いが“湿気対策”が命
タマネギの貯蔵方法は大きく分けて2種類。
① 吊るし保存
- 涼しい
- 風が通るので長持ち
- 見た目もわかりやすい
定番の方法で、ぼくも毎年これです。
② かご保存(ネット・段ボール)
- 直射日光を避ける
- 底が網目のかごがベスト
- 段ボールの場合は穴を開ける
どちらにしても湿気だけは絶対に避ける。
【6】貯蔵場所は“涼しい・暗い・風通し”の3拍子で選ぶ
タマネギは、夏の高温と湿気で傷みやすい野菜です。
■ 最適な保存場所例
- 玄関(風通しが良い家の場合)
- 北側の涼しい物置
- カーポート下
- 日陰の納屋
NG場所
- 直射日光が当たる場所
- 湿気がこもる室内
- キッチンやリビングなど高温な場所
特に梅雨〜夏は高温多湿になるので“風が抜けるかどうか”が最重要です。
【7】品種で保存期間が変わる|晩生は最強の貯蔵向け
同じタマネギでも、品種によって保存性はかなり違います。
■ 貯蔵性が高い(晩生)
- ネオアース
- もみじ3号
- ターザン
■ 貯蔵が苦手(早生・赤タマネギ)
- 貴錦(早生)
- アトン(赤)
- 湘南レッド
ぼくの経験では、晩生なら夏〜秋まで余裕で持つ一方、赤タマネギは1〜2ヶ月が限界。
サラダ向けの甘い系品種は「早めに食べ切る」前提です。
【8】定期チェックのポイント|腐敗は“早期発見”が命
完全に乾燥させても、保管中に腐ってくるタマネギがあります。
■ 定期チェック(2〜3週間に1回)
- 柔らかい玉がないか(腐敗の初期)
- カビがついていないか
- 首の部分が緩くなっていないか
早期発見すれば“周りへの感染”を防げます。
まとめ:タマネギは収穫と貯蔵が成功の分岐点
半年かけて育てたタマネギも、収穫と貯蔵を間違えると一気に失敗してしまいます。
今回の内容を整理すると──
- ✔ 収穫は“葉倒れ後1週間”
- ✔ 雨の日は絶対に収穫しない
- ✔ 畑で半日乾燥→自宅で長期乾燥
- ✔ 葉3〜5cm・根1cm残して切る
- ✔ 貯蔵場所は涼しくて風通しが良い場所
- ✔ 晩生品種は長期保存向け
- ✔ 定期チェックで腐敗を防ぐ
この手順を守れば、貸し農園でも家庭菜園でも、
夏〜秋までおいしいタマネギライフが続きます。
今年もあなたの畑が大豊作になりますように!