
※イメージ画像です(AIにより生成)
結論から言うと、イチゴの秋植えで、いちばん大切なのは、「クラウン(葉の根元のふくらみ)を、土に埋めない浅植え」と、「苗の向きをそろえること」です。この2つを守れば、冬を越して、翌年の5月ごろに、おいしいイチゴが収穫できます。
苗を植えてから収穫までは、約7か月。長い道のりですが、冬の間は、ほとんど手がかかりません。植え付けの日に、丁寧に作業しておけば、あとは見守るだけです。今の時期は、まずこれだけ覚えておけば大丈夫ですよ。
この記事でわかること
- 秋植えの時期の目安
- 苗の選び方と、植え方(浅植え・向き)
- マルチと、株間の考え方
- 冬越しと、春の追肥
- 収穫までの流れと、連作の注意
秋植えのスケジュール(目安)
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 植え付けの2週間前 | 石灰や堆肥で、土づくり |
| 10月中旬〜11月中旬 | 苗の植え付け(中間地の目安) |
| 冬(12〜2月) | 水やりと、鳥害・霜の対策 |
| 3月下旬ごろ | 芽吹き。追肥を開始 |
| 4月ごろ | 開花。受粉を助ける |
| 5月ごろ | 収穫(花が咲いてから約40日が目安) |
植え付けから収穫までは、秋植えの場合、約7か月かかるとされています。時期は、地域によって前後します。苗を購入した店の案内も、あわせて確認してください。
苗の選び方
苗は、園芸店などで、秋になると、販売されます。
- 葉の色が濃く、しっかりしている
- クラウン(根元のふくらみ)が、太くて、しっかりしている
- 葉に、傷や、病気の斑点がない
- 根が、ポットの底から、極端にはみ出していない
- ひょろひょろと、徒長していない
購入したら、できるだけ早く植えます。すぐ植えられないときは、日陰で、乾かさないように、管理してください。
土づくり
イチゴは、水はけと、水もちのバランスがよい土を好みます。
- 植え付けの2週間前に、苦土石灰をまいて、耕す(土が酸性に傾いている場合)
- 1週間前までに、堆肥と元肥を入れて、耕す
- 畝を、少し高めに作る(水はけをよくするため)
- 黒マルチを張る(土の保温と、泥はね・雑草の防止になる)
畑の状態で、石灰や肥料の量は、変わります。袋に書かれた使用量の目安を、参考にしてください。土づくりの基本は、「家庭菜園の土づくり、堆肥・腐葉土の使い方」で解説しています。
植え付け:浅く、向きをそろえて
株間と、マルチ
公開情報では、畝に、30cm間隔で苗を並べると、紹介されています。黒マルチを使う場合は、30cm間隔で、穴をあけます。
浅植えが、基本
イチゴの苗は、クラウン(葉が出ている、根元のふくらんだ部分)が、土に埋まらないよう、浅めに植えます。
- 深く植えると、クラウンが土に埋まって、生育が悪くなったり、腐ったりしやすい
- 根は、しっかり土に埋めて、クラウンだけ、地面より少し出す
- 植えたあとは、たっぷり水をやる
「根は埋めて、クラウンは出す」と覚えておくと、迷いません。
苗の向きをそろえる
ポットの苗を観察すると、クラウンが、やや斜めに傾いていることがわかります。この傾いている側に、花芽が出て、実がなります。
- 花芽(実)が出る向きを、そろえて植えると、収穫がしやすくなる
- 公開情報では、南北の畝なら、東側に実がなるように、配置する例が紹介されている
- 東西の畝なら、花芽が、南側を向くように、配置する例がある
向きをそろえると、実が、畝の同じ側に並び、収穫のとき、探しやすくなります。
冬越しの管理
冬の間、イチゴの地上部は、縮こまったように見えますが、光合成を続けて、根に養分をためています。心配せず、見守りましょう。
- 土が乾いていれば、天気のよい暖かい日の日中に、水やりをする
- 霜柱で、苗が浮き上がっていないか、確認する
- 枯れた葉は、取り除く
- 鳥に、苗を傷つけられるときは、ネットで覆う
水やりは、冬の間も必要です。ただし、夕方に水をやると、夜に凍ることがあるため、日中に行います。鳥害の対策は、「ヒヨドリ・カラスから野菜を守る防鳥ネットの使い方」の記事も、参考にしてください。
春の管理と追肥
3月下旬ごろ、気温が上がってくると、葉が元気に芽吹いてきます。
- 追肥:公開情報では、米ぬかか油かすを、約10g、植え穴に手を差し入れて施す方法が、紹介されている
- 液肥を、週1回与える方法もある(資料の例)
- 枯れた葉や、古い葉を、取り除く
- 花が咲いたら、受粉を助けるため、風通しをよくする
肥料のやりすぎは、葉ばかり茂る原因になります。「家庭菜園の追肥のタイミングと量の目安」の記事も、あわせてご覧ください。
収穫
花が咲いてから、約40日が、収穫の目安とされています。
- 実全体が、赤く色づいたら、収穫する
- 朝の涼しい時間帯に、ヘタの少し上を、はさみで切る
- 熟した実は、傷みやすいので、そっと扱う
- 収穫が遅れると、実が柔らかくなりすぎ、鳥や虫に、食べられやすくなる
病害虫のこと
イチゴで、気をつけたい害虫や、病気の例です。
| 害虫・病気 | 対策の考え方 |
|---|---|
| アブラムシ | 見つけたら、早めに取り除く。ネットなどで、防ぐ |
| ナメクジ | 夜に活動する。見つけたら、取り除く |
| うどんこ病・灰色かび病 | 風通しをよくし、枯れ葉や傷んだ実を、取り除く |
| 鳥害 | ネットで覆う |
農薬を使う場合は、イチゴに使える製品かどうか、ラベルを必ず確認し、使用方法を守ってください。農薬を使わない対策は、「家庭菜園で農薬を使わない虫除け方法」の記事も、ご覧ください。
連作に注意
イチゴは、連作障害が出やすいとされる野菜です。自治体の資料では、「2年あける野菜」の例として、キュウリ・ハクサイ・キャベツとともに紹介されています。同じ場所で、続けて育てるのは、避けて、数年おきに、場所を変えるのがおすすめです。育てた場所を、記録しておきましょう。
連作を避ける考え方は、「連作障害とは?家庭菜園での基本の対策と輪作のコツ」の記事に、まとめています。
プランターでも育てられる
イチゴは、プランターでも、育てられます。
- 深さのある、大きめのプランターを選ぶ
- 水はけのよい、野菜用の土を使う
- クラウンを、埋めないように、浅く植える
- 日当たりのよい場所に、置く
- 水切れしやすいので、土の表面が乾いたら、しっかり水をやる
ベランダ栽培の始め方は、「プランターでもできる家庭菜園、ベランダ栽培の始め方」の記事も、参考にしてください。
よくある失敗
| 失敗の例 | 対策 |
|---|---|
| 深植えして、苗が枯れた | クラウンを、土に埋めない |
| 苗の向きがバラバラで、収穫しづらい | 花芽が出る向きを、そろえる |
| 冬に、水を切らして枯れた | 乾いた日は、日中に水をやる |
| 実が、鳥に食べられた | ネットで覆う |
| 実が小さい・数が少ない | 追肥の時期、日当たり、受粉を確認する |
植え付け当日の手順
- 畝に黒マルチを張り、30cm間隔で、穴をあける
- 苗を、ポットから取り出して、根を傷めないように扱う
- クラウンが、傾いている向きを確認する
- 花芽が出る向きを、畝の同じ側に、そろえる
- 根をしっかり土に埋め、クラウンは、土に埋めずに、地面より少し出す
- 植えたあと、株元に、たっぷり水をやる
- 鳥に苗を引き抜かれないよう、必要に応じて、ネットをかける
作業は、天気のよい日の、午前中に行うと、苗が落ち着きやすくなります。
作業チェックリスト
| 時期 | チェックしたいこと |
|---|---|
| 植え付けの前 | 土づくりは済んだか。苗は、傷んでいないか |
| 植え付けの日 | クラウンは、埋まっていないか。向きはそろっているか |
| 植え付け後 | 水やりをしたか。根づくまで、乾かしていないか |
| 12〜2月 | 日中に、水やりができているか。霜柱で苗が、浮いていないか |
| 3月下旬 | 枯れ葉を取り除いたか。追肥を始めたか |
| 4月 | 花は咲いたか。アブラムシ・病気がないか |
| 5月 | 実が、全体に赤くなったか。収穫は遅れていないか |
「根づく」までの水やり
植え付け直後の苗は、根が土になじんでいないため、水切れに弱い状態です。植え付けたあと、しばらくは、土が乾かないよう、こまめに確認しましょう。根づくと、新しい葉が、元気に出てきます。
- 水のやりすぎにも、注意する(常に、びしょびしょにはしない)
- クラウンに、水がたまりすぎないようにする
- 黒マルチの下の土が、乾きすぎていないか、時々確認する
まとめ
- イチゴの秋植えは、10月中旬〜11月中旬(中間地の目安)。収穫は、翌年5月ごろ
- クラウンを、土に埋めない「浅植え」が基本。苗の向きもそろえる
- 株間は30cm程度。黒マルチを使うと、管理が楽になる
- 冬の間も、日中に水やりをする。3月下旬から、追肥を始める
- 連作は避ける。育てた場所を、記録しておく
よくある質問(FAQ)
Q. 苗は、いつ買えばよいですか?
秋になると、園芸店などで、苗が販売されます。植え付けの適期(10月中旬〜11月中旬)に合わせて、早めに購入すると、選べる苗の種類が、多くなります。
Q. クラウンが、どこかわかりません。
葉が出ている、根元のふくらんだ部分が、クラウンです。ここが、土に埋まらないよう、浅く植えます。
Q. 冬に、葉が枯れてきました。大丈夫ですか?
冬は、地上部が縮こまったり、古い葉が枯れたりします。クラウンが、元気であれば、春に、新しい葉が出てきます。枯れた葉は、取り除きましょう。
Q. 春に植えても、育ちますか?
春植えもできますが、この記事は、秋植えの場合の流れです。秋植えのほうが、翌年の春に、収穫できるまでの期間が、わかりやすく、家庭菜園でも一般的です。
Q. 実がなっても、小さいです。
追肥の時期や量、日当たり、受粉などを確認してください。株が、込みあっている場合は、風通しも、見直しましょう。
Q. 苗を植えたあと、葉が枯れてきました。
根づくまでは、古い葉が枯れることがあります。新しい葉が出ていれば、心配ありません。クラウンが埋まっていないか、水切れしていないかも、確認しましょう。
Q. 黒マルチは、必ず必要ですか?
必須ではありませんが、泥はねや雑草を防ぎ、地温を保つ助けになります。実が土につきにくくなる点も、利点です。
Q. 実が土について、傷みます。
マルチや、敷きわらで、実が直接土に触れないようにすると、傷みにくくなります。
