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【完全版】タマネギ栽培のすべて|苗選び・植え付け・追肥・管理・病害・収穫・貯蔵まで完全ガイド

貸し農園×ベランダ栽培──どちらも経験してきた山ちやんが、

「タマネギ栽培で本当に必要なこと」だけを一冊にまとめました。
初心者から中級者まで役立つ“失敗しないための完全保存版”です。

【タマネギ畑の全景(黒マルチ+整った畝)】

【タマネギ畑の全景(黒マルチ+整った畝)】

  1. はじめに:タマネギは「準備8割・管理2割」で決まる作物
  2. 【STEP1】土づくり|タマネギは「湿気に弱い」=土づくりが最重要
    1. ■ 基本の土づくり(10月上旬〜中旬)
  3. 【STEP2】苗選び|“細すぎず太すぎない”中苗が最強
    1. ■ 良い苗の条件
    2. ■ NG苗
  4. 【STEP3】植え付け|深さ3cm・株間15cmが黄金バランス
    1. ■ 最適な植え付け深さ
    2. ■ 株間と条間
    3. ■ 植え付けのコツ(露地・ベランダ共通)
  5. 【STEP4】根付きアップ術|“最初の1〜2週間”が勝負
    1. ■ 根付きアップの3つの方法
  6. 【STEP5】追肥|「2月・3月の2回だけ」それ以外は逆効果
    1. ■ 追肥の回数
    2. ■ やりすぎると起こる失敗
  7. 【STEP6】冬の管理|霜柱と風だけ注意すればOK
    1. ■ 冬(12~2月)のやること
  8. 【STEP7】春の管理|葉の太さ=玉の太さ
    1. ■ チェックポイント
  9. 【STEP8】病気対策|湿気と密度を減らすだけで8割防げる
    1. ■ よく出る病気
    2. ■ 病気を防ぐ方法
  10. 【STEP9】輪作|タマネギは連作NG、3年以上空けるのが理想
    1. ■ 相性の良い前作
    2. ■ 相性の悪い前作(NG)
  11. 【STEP10】収穫|葉が倒れてから「1週間後」が最適タイミング
    1. ■ 収穫の目安
    2. ■ 収穫方法
  12. 【STEP11】貯蔵|乾燥・風通し・涼しさの3要素がすべて
    1. ■ 乾燥方法
    2. ■ 葉と根の切り方
    3. ■ 保存場所の条件
    4. ■ 保存向きの品種
  13. 【STEP12】ベランダ栽培のポイント|畑より簡単な部分も多い
    1. ■ ベランダ専用の注意点
  14. 【まとめ】タマネギは“準備×観察×控えめ肥料”で必ず成功する
    1. ■ この完全版のポイントまとめ
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はじめに:タマネギは「準備8割・管理2割」で決まる作物

タマネギは6〜8か月という長期栽培のわりに、
やること自体は驚くほどシンプルな野菜です。

しかし、油断すると──

  • しっかり植えたつもりが霜で浮く
  • 葉ばかり伸びて玉が太らない
  • 追肥しすぎてトウ立ち
  • 病気(ベト病・灰色かび)が出る
  • 収穫後に腐ってしまう

など、“長期戦ならではの落とし穴”が多いのも事実。

ぼくは都市型のベランダ栽培からスタートし、
2016年から貸し農園で露地栽培に挑戦してきましたが、
10年育てて分かった結論は「最初の2ヶ月が勝負」です。

この完全版では、
苗選び → 土づくり → 植え付け → 管理 → 追肥 → 病害 → 収穫 → 保存
の流れをすべてひとまとめにして分かりやすく解説します。

【STEP1】土づくり|タマネギは「湿気に弱い」=土づくりが最重要

■ 基本の土づくり(10月上旬〜中旬)

  • 苦土石灰 … 100g/㎡
  • 堆肥 … 2kg/㎡
  • 元肥 … 50g/㎡以下(控えめに)
  • 畝の高さ … 15〜20cm(高畝必須)
  • 黒マルチ … 必ず張る

タマネギは「水はけが悪い土」「窒素過多」で一気に弱ります。
特に貸し農園の土は場所によってクセが強いので、高畝とマルチで環境を整えておくことが成功のカギ。

※プランターの場合:
市販の野菜用培養土100%でOK。追加の堆肥は不要。

【STEP2】苗選び|“細すぎず太すぎない”中苗が最強

■ 良い苗の条件

  • 太さ:鉛筆より少し細い
  • 長さ:20〜25cm
  • 白い部分がしっかりしている(充実)
  • 葉が折れていない・黄変していない

■ NG苗

  • 太すぎる → トウ立ちしやすい
  • 細すぎる → 寒さで枯れる

苗選びはタマネギ栽培で最重要と言っても過言じゃありません。
畑でもベランダでも、苗の質がそのまま収穫量になります。

【STEP3】植え付け|深さ3cm・株間15cmが黄金バランス

■ 最適な植え付け深さ

白い部分が隠れる程度(約3cm)

  • 深すぎる → 玉が太らない原因に
  • 浅すぎる → 霜柱で抜ける

■ 株間と条間

  • 株間:15cm
  • 条間:30cm

タマネギは密植すると風通しが悪くなり、
春先にベト病が一気に広がります。
“ゆったり植える”ことが健康な株づくりの最初のステップ。

■ 植え付けのコツ(露地・ベランダ共通)

  • 苗はまっすぐ立てる(寝かせない)
  • 植えた後、指で軽く押さえて固定
  • 植え付け直後にだけ水やりする

【植え付け直後のタマネギ畝(黒マルチ+苗の様子)】拡大

【植え付け直後のタマネギ畝(黒マルチ+苗の様子)】拡大

【STEP4】根付きアップ術|“最初の1〜2週間”が勝負

■ 根付きアップの3つの方法

  • 1. 風よけに寒冷紗をふんわりかける(1〜2週間)
  • 2. 霜柱期は「浮き上がりチェック」を毎週
  • 3. 葉が倒れないか観察(根の固定確認)

タマネギの植え付け失敗は、
ほぼ“根付き不良”が原因です。
ここさえクリアすれば、春までほぼ何もすることはありません。

【STEP5】追肥|「2月・3月の2回だけ」それ以外は逆効果

タマネギは肥料を入れすぎると失敗します。
追肥はあくまで“軽くスイッチを入れる程度”で十分。

■ 追肥の回数

  • ① 2月中旬:ひとつまみ
  • ② 3月上旬:ひとつまみ

■ やりすぎると起こる失敗

  • トウ立ちが増える
  • 葉ばかり巨大化する
  • 病気(ベト病)が発生しやすい

4月以降の追肥は絶対NG。
暖かくなると肥料が効きすぎて暴れます。

【STEP6】冬の管理|霜柱と風だけ注意すればOK

タマネギは寒さに強いため、冬はほぼ放置で育ちます。

■ 冬(12~2月)のやること

  • 霜柱で浮き上がっていないか確認
  • 雑草を抜く(栄養を奪われないため)
  • ベランダはプランターを浮かせる(冷え対策)

葉先が枯れるのは自然な反応なので心配不要です。

【STEP7】春の管理|葉の太さ=玉の太さ

春(3〜4月)はタマネギが一気に肥大するタイミング。
この時期の観察が、収穫量に直結します。

■ チェックポイント

  • 葉がしっかり太いか
  • 葉の色が薄くないか(肥料不足)
  • ベト病の症状が出ていないか
  • 倒伏していないか

春は“見るだけで育つ”と言われるほど、
追肥より観察のほうが重要です。

【STEP8】病気対策|湿気と密度を減らすだけで8割防げる

■ よく出る病気

  • ベト病
  • 灰色かび病
  • さび病
  • 根腐れ(白色疫病)

■ 病気を防ぐ方法

  • 高畝にする
  • 黒マルチで湿気と泥はねを防ぐ
  • 株間を15cm空けて風通しを確保
  • 肥料を控えめに(窒素過多NG)
  • 早期発見で病葉を切り取る

病気は、発生してからの対処より
「発生させない環境づくり」が最優先。

【STEP9】輪作|タマネギは連作NG、3年以上空けるのが理想

■ 相性の良い前作

  • 豆類(エダマメ・ソラマメ)
  • キュウリ・カボチャ・ウリ科
  • サツマイモ

■ 相性の悪い前作(NG)

  • ニンニク
  • ネギ・ワケギ
  • タマネギ(連作)

同じネギ類の後に植えると、病気が一気に増えます。

【STEP10】収穫|葉が倒れてから「1週間後」が最適タイミング

■ 収穫の目安

  • 葉が自然に倒れる
  • 首(葉の付け根)が細くなる
  • 晴れの日を選ぶ(雨天収穫NG)

すぐ抜くと首が太く、貯蔵性が低下します。
「倒伏から1週間」は絶対に守りたい黄金ルール。

■ 収穫方法

  • 根元の土を軽く崩す
  • ゆっくり引き抜く
  • 畝の上で半日乾燥

【STEP11】貯蔵|乾燥・風通し・涼しさの3要素がすべて

タマネギは育てるより「貯蔵のほうが難しい」と言われるほど。

■ 乾燥方法

  • 畑で半日〜1日乾燥
  • 軒下や風通しの良い場所で1〜2週間干す

■ 葉と根の切り方

  • 葉 … 3〜5cm残す
  • 根 … 1cm残す

■ 保存場所の条件

  • 直射日光が当たらない
  • 風通しが良い
  • 涼しい(夏は注意)

■ 保存向きの品種

  • ネオアース
  • もみじ3号
  • ターザン

赤タマネギは保存が苦手なので早めに食べましょう。

【STEP12】ベランダ栽培のポイント|畑より簡単な部分も多い

タマネギはベランダでもしっかり育ちます。

■ ベランダ専用の注意点

  • プランターは60cmで8株まで
  • 市販培養土100%で十分
  • 冬の冷え込みが強いので台に乗せて断熱
  • 風対策が必須(倒伏しやすい)
  • 乾燥気味でOK、水のやりすぎ厳禁

ベランダは環境を管理しやすいので、
むしろ初心者には向いていると感じます。

【まとめ】タマネギは“準備×観察×控えめ肥料”で必ず成功する

タマネギ栽培は難しそうに見えて、
実はコツさえ押さえれば失敗が極端に減ります。

■ この完全版のポイントまとめ

  • ✔ 土づくりは高畝&マルチで湿気対策
  • ✔ 中苗が最大の成功ポイント
  • ✔ 深さ3cm、株間15cmを守る
  • ✔ 冬は根の浮き上がりチェックだけでOK
  • ✔ 追肥は2回だけ、控えめで十分
  • ✔ 病気は“環境づくり”で8割防げる
  • ✔ 収穫は葉倒れ1週間後
  • ✔ 貯蔵は風通しと乾燥が命
  • ✔ ベランダでも十分育つ

タマネギは、長期間見守る“育て甲斐のある作物”。
あなたの畑でも、あなたのベランダでも、
今年はぜひ、この完全版を参考に大玉タマネギを収穫してください。

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